「よろず屋」から、世界一の「保険屋」へ

外資系生命保険会社の営業である武田喜久は、自身のことを「よろず屋」と呼ぶ。安定したキャリアから、保険営業という新しい世界に飛び込んで3年目。仕事の、そして人生の哲学を聞いた。

職業は「よろず屋」。目の前の人の役に立ちたい

ーー現在のお仕事について、教えてください。

外資系生命保険会社の保険のご提案やライフプランナーをしています。具体的には資産形成(相続・税金・認知症対策)、法人様への福利厚生、マネーセミナーなど幅広く対応可能です。
ですが、自己紹介では「よろず屋」とお伝えさせてもらっています。

ーー「よろず屋」ですか?

「世の中の方の役に立ちたい」というのが一番なんです。皆さんそれぞれ、いろんなことで困っていらっしゃいます。そんな方々の声に耳を傾け、その人をどうにか助けられないか考えるのが私の仕事です。だから自分のことは「よろず屋」と呼んでいます。
例えば、スーツを新調したい人にはオーダースーツ屋の知人を紹介したり、プロフィール写真を撮りたい人がいれば、腕のいいカメラマンを紹介したり。どんなお困りごとでも、まずはご相談いただきたいです。
私が実際に売るのは保険商材ですが、保険商材の本質は保障だと考えています。保障とは「これで安心できる」と、相手から不安を取り除くことです。目の前の方の不安を取り除くには、その人のお困りごとを理解しなければなりません。
目の前の方が何に困っているのか。自分の力や、自分の人脈で何かお助けできることはないか。そう考えるところから関係性をスタートさせたいと思っています。

ーーでは「よろず屋」の仕事を始めたきっかけを教えてください。

一度きりの人生、悔いのないように生きたいと考えたのがきっかけです。
私は大学卒業後、製造系の大手企業に入社し、2015年に商社の営業に転職しました。そこで8年間、順調にキャリアを形成し、管理職にもなりました。しかしある日「もっと挑戦したい」と考えている自分に気づいてしまったのです。
それがきっかけで転職を考え始め、出会ったのが保険営業という仕事でした。不測の事態が起こったとき、困っている方の役に立てる。心から喜んでもらえる。保険営業の仕事を知れば知るほど「やってみたい」という気持ちが強くなっていったのです。
また、外資系の会社で働くというのは自分自身の挑戦という意味でも価値があると感じたのです。妻にも決意を伝え「絶対成功してやろう」と強い気持ちを持って挑戦することにしました。

すべては「相手を勝たせる」ために

ーー2025年12月で現職に入って3年目。状況はいかがですか?

充実しています。特に3年目に入ってからは。
最初の2年間は、とにかく数字を追いかけた2年間でした。しかしというか、やはりというか、それだけでは買ってもらえない。そのことに、2年目を終えるタイミングで気づきました。
営業なのに、少しおかしく聞こえるかもしれませんが「数字を追う」という考えを改めたのです。その代わり、目の前の相手の困りごとを聞くことに、より尽力するようにしました。結果として3年目の現在、今までの2年間では出てこなかったような数字が上がってきています。「相手を勝たせる」のが、私の役目だと気づいたのです。

ーー「相手を勝たせる」とは、どういうことでしょう?
自分だけでなく、相手にも満足してもらうことですね。目の前の人のお困りごとを解決するというのも、ひとつの「勝ち」の形だと思っています。
自分ばっかりが勝とうとすると、なかなか勝てない。数字ばかりを追っていた私がまさにそうでした。相手を勝たせてあげると、結果として自分も勝てる。そういうふうに世の中はできているな、と最近強く感じています。
ですから、まず相手に満足してもらう。その先で私も満足できる。それが、私の考える「相手を勝たせる」ことです。
実際、相手のお困りごとに寄りそった上で「一度武田さんの保険の話も聞かせてください」と言われたときは「勝たせてあげられた」と感じます。

周りも自分も幸せに。徹底した時間の使い方

ーー武田さんにとって、仕事や人生において「大切なこと」を教えて下さい。

何よりも大切なのは、家族との時間ですね。家族を幸せにしたい。それが私の人生の軸です。家族も周囲の人も、もちろん自分も、幸せに。そのために特に大事にしているのは、時間の使い方ですね。
私の時間の使い方は、徹底しています。毎朝5時に起きて、瞑想したり、1日の目標を確認したりして時間を使う。それから朝支度をしつつ、移動時間なども使ってその日の予定を整理。7時にはオフィスについて、中長期計画の進捗確認、アポイントの準備に2時間かけます。9時から17時はお客様に会う時間です。17時以降は家族との時間と決めていて、2026年7月からは、夜の予定は入れないようにスケジュールも制御しています。この時間管理を平日は毎日徹底し、休日も朝5時に起きるのは変えません。

ーーそれほどまでに時間管理を徹底されている理由をはなんでしょう?

目標が明確になっているからです。私の目標は「私の周りの人を幸せにする」こと。この目標を達成するには、24時間という限られた時間を最適化・効率化しなければ成し遂げられないと考えています。人間は生まれたら必ず、「死」というゴールに向かっていきますよね。「命の時間」は限られています。だからこそ、この時間を無駄にしちゃいけない。
また、私は「準備不足が一番の罪」だと考えています。営業は準備が8割9割です。今日会う方はどこにお住まいで、ご家族構成は、職業は、この間お話したときは……。あらゆる情報を頭に入れるために、時間を割いて準備する。準備の時間を捻出するために、徹底的に時間管理をしています。

70歳まで現役。「世界一の保険屋」に

ーー最後に、今後の展望について教えてください。

私は、70歳まで現役で働きたいと思っています。保険営業とは、お客様の人生を預かる仕事です。会社が許す限り、現役で全力投球したいと考えています。引退して後任の担当者に引き継いでも、「武田さんにも来てほしい」と言われるような存在になれれば嬉しいです。お客様にとって、生涯のサポーターでありたいですね。
また、後輩の育成にも尽力していきたいです。自分が培ってきた営業の技術や、やってきたこと。営業としてのあり方や成功の仕方。そういったものを後世に残していきたい。今現在、3年目にして私が成功し始めた理由ですが、正直自分でもまだよくわかっていないところがあります。それらを体系化して、自分のものにしたら、周囲の人にも伝えていきたいですね。それも、目の前の人の役に立つことだと思っています。
そうやって、最終的には「世界一の保険屋」になりたいです。

ーーそこは「よろず屋」ではなく「保険屋」ですか?

振り返ってみれば、実はあの人は「よろず屋」ではなく「保険屋」だった。しかも、「世界一の保険屋」だった。
そう後から気づいてもらえるような生き方ができれば、最高だと思っています。そのためにも今は「よろず屋」として皆さんのお役に立ち続けられれば、それほど幸せなことはありません。

経歴

武田喜久(たけだ よしひさ)

1980年生まれ。大阪府大阪市西区堀江出身。天理大学卒。
外資系生命保険会社営業コンサルタント(ライフプランナー)。
中・高と卓球、大学はサッカーに打ち込み、卒業後は大手製造会社に入社。2015年9月に商社の営業職へ転職し8年間、営業や管理職として実績を積む。2023年12月、現在の職である保険営業の道へ。
目の前の人の役に立てる喜びを感じながら、挑戦を続けている。家族を幸せにすることが人生最大の目標のひとつ。

趣味はフットサル。現在も健康のため定期的に汗を流している。

インタビュー動画

取材日:2026年6月7日
写真・撮影協力:スタジオうえじ